About
『夢人形』に ついて
作家名を「Atelier 夢人形 渡辺登美子」としました。
「夢人形」という名前は、ドール制作を開始した頃から考えていた言葉でした。
私は高校生の時美術部で 人物画を描いていました。その絵について「夢見るような絵」といわれることがありました。それからかなりの時を経ているにもかかわらず、心の奥にあるものが変わっていないことに気づきました。少女の頃の「人形」への憧れや夢見るような気持ちをリプロダクションドールに込めていきたいと思っています。
私の趣味である 絵を描くこと、縫い物をすること、陶芸を楽しむことなどの好きなこと全てを含んでいるのが「アンティークビスクドールのリプロダクション制作」でした。
私の制作した人形が世代や性別を超えたすべての皆様に 『夢や人形への憧れ』と共に毎日の生活に潤いを与えてくれることを願って『夢人形』といたしました。
制作にあたり心がけていること
お顔もドレスも丁寧に時間をかけて制作しています。やり直しもたびたびです。
肌の色に合った、瞳の色、髪の色、そしてお顔に合ったドレスの色と生地の選定、ドレスやボネット(帽子)のデザイン決め、アクセサリーの選定…等、全体のバランスを考えて制作しています。
材料はなるべくアンティークを使用しています。
瞳は張り出しの大きいイギリス製ペーパーウエイトグラスアイ、ウイッグ は主にフランス製人毛かモヘアを使用。ブローチ、ハットピンはこれまでに集めてきたアンティークを多く使用しています。
「可愛さ」と「美しさ」、そして「気品」のあるお人形を作りたいと心がけています。
制作履歴
2010年3月~ DAGインストラクター
小嶋直子氏に師事
ビスクドール制作を開始
2010年11月 DAG国際コンクール東京にて First Doll (Bru)でブルーリボン賞
2013年12月 DAG国際コンクール東京にて Bru 2体 ブルーリボン賞
2018年6月 DAG国際コンクール金沢にて Bru 2体、市松人形 1体の計3体が ハイブルーリボン賞、及びロゼット賞
茨城県石岡市在住
米国 DAG 会員
(Doll Artisan Guild 本部はニューヨーク)
2018年 Master of Dollmaking 取得
(解説)
ブルーリボン賞 100点満点の90点以上
ハイブルーリボン賞 〃 95点以上
ロゼット賞 ドール別部門のトップ賞
ビスクドールとは*
ビスクドール(bisque doll)とは、英語で釉薬をかけない磁器の肌を持つ人形のことです。
語源はフランス語ビスキュイ(biscuit)、「二度焼磁器」の意味ですが、本焼きで白磁にし、
肌色をつけて再び焼成することから生まれた言葉です。実際には完成までに6回~7回の焼成を繰り返します。
アンティークドールとは*
アンティークドールは、75年~100年以上時間が経過した人形のことをいいます。
リプロダクションドールとは、同じような人形を新たに再制作した人形のことです。
*は「古関くに子の手作りビスクドール入門」から引用しています。
作業について
簡単に説明いたします。モールドにスリップを流し、未焼成のヘッドを作ります。
よく乾かして低温焼成(710度前後)、その後磨いて磁器焼成(1200度前後)、絵付け焼成(700度前後)と進めます。
まつ毛、眉、リップ、鼻の穴、アイシャドウ、チークシャドウなど絵付けするたびに焼成し、完成までに6~7回くらい焼成する事になります。